日科技連主催の「ソフトウェア カイゼン交流会」に行ってきました.
すごくおもしろかったです.レポートは,後で組み込みネットに書くとして,感心したのは,カイゼンの話とアジャイル(XPなど)って相通ずるものがあるのだなぁ...ということです.
トヨタ生産方式でいう「カイゼン」は,無駄を顕在化させ,なくしていく継続的な行為であるわけなのですが,ソフトウェア開発という,人間そのものがある意味自分自身(の気分など)を投影させながら行っている作業においては,個人のモチベーションがとても,とても重要な要因になります.もともとそういうことを唱えていたのがeXtreme Programming(XP)で,私はこの意見に強く賛同しています.
はじめ,交流会の会場に集まった人々の姿を見て思ったことは,「(XPに集う若者に比べて)年齢層が高い」,ということでした.お話を伺ってみると,CMM推進部署に所属されている方などもわりといらっしゃるようでした(CMM レベル5では,プロセスの永続的な改善に取り組める,ということが求められている).でも,事例発表などを聞いてみてびっくり,ほとんどXPで推進していることと同じようなことを「カイゼン」の名のもとで実施されているのです.
確かに,ソフトウェア開発者は(それも”できる”人ほど)「自分のスタイル」を持ちがちで,言われたことに粛々と従ったりはしません.それなら,彼らのモチベーションややる気をどうやって上げるのか,どうやって開発チームの雰囲気を良くしていくか,ということこそが,より良い開発につながるのだと思います.
例えば,チームの雰囲気を「見える化」するツールが,「ニコニコカレンダー」,通称ニコカレです(この交流会で聞いたことの受け売りですが…).チーム・メンバは,毎日の帰宅時に,壁に貼られた表(横軸が日付,縦軸がメンバ名)に,自分の気分に合ったシールを貼って帰ります.happy!なら黄色のシール,unhappy(ブルー)なら青色のシール,普通なら赤色のシール,といった具合です.そうすれば,最近のチームのみんながどんな気分でいるのかが一目で分かります.例えば,残業した時間分だけ,シールの下にちっちゃな●シールでも貼っておけば,だれに負荷がかかっているかなどが一目で分かり,ほかの人が「Aさんをフォローしてあげなきゃな」という気分になります(これ!これ,いい!).
ニコカレなどは,実施する人のアイデアによって,いろいろカスタマイズできます.シールの色ではなく,顔マークを書き込んだり,「普通」に逃げる人を無くすために,黄色と青色のみにしたり….なにより,手軽で楽しげなくせに,これも「カイゼン」だ,ということに軽くショックを受けました.
私の職場だって,あなたの職場だって,雰囲気が良くてコミュニケーションが取れているほうがよいに決まってます.ニコカレ,やりたいなぁ….でも,うちみたいに,出社/退社が不規則な職場だとやりにくいよなぁ….
交流会とXPにすっかり感化された私は,そんなわけで,「カイゼン」する機会を虎視眈々と狙っているのでありました.
コメントする