「マジカル・スプーン」の取材をしていて、今の高校の教科書には「情報」という教科があることを知りました。へぇ~。
たとえば、情報処理学会が1998年に作った「試作教科書」があったり。
1999年3月に告示された高等学校の学習指導要領には、こんなふうに書かれています。
第1款 目 標
情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して,情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。
ふーん。。。。とは思うものの、これを読んでも何がなにやら。。。
あ,情報って,普通教科としての「情報」と専門教科としての「情報」があるのね...
第1款 目 標
情報の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに,高度情報通信社会の諸課題を主体的,合理的に解決し,社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。
前者は「情報を利用する技術」,後者は「情報システムを開発するための技術」,といったところでしょうか.
もっと手っ取り早く、近しい人に聞いたところによると、この「情報」という教科は、現在不足していると言われている、ソフトウェア技術者やコンテンツ作成者を養成するための土壌として用意されたものらしいのです(どうも,専門教科としての「情報」のほうみたいですね)。
以下(岐阜県の「教科」 学習指導要領解説)に、そのことが示されています。
Q 専門教科「情報」が新設されるにいたった背景と必要性はどのようなものか。
理科教育及び産業教育審議会答申では、専門教科「情報」設立の背景と必要性を次のように述べている。
『近年、情報化は想像を超える規模・速度で進展し、高度情報通信社会を迎え、情報通信産業は急速に拡大している。平成9年5月16日に閣議決定された政府の「経済構造の変革と創造のための行動計画」によれば、情報通信産業の雇用規模は、平成7年の約125万人が平成27年には約245万人に増加するとの予測がたてられている。こうした中で、特にソフトウェアに関し、システム全体の設計・構築や管理・運営を担当するなどの高度な情報技術者の育成や新たな産業領域の形成に役立つような人材の育成が重要な課題となった。
このような高度かつ多岐にわたる情報技術者等は、もとより高等学校段階の教育のみで育成できるものではないが、情報分野に興味・関心を持つ若者に、高等学校において情報科学の基礎など情報を扱う上での基礎的・基本的内容を学習する機会を提供するとともに、情報手段を駆使した実習等を通して創造的で豊かな感性をはぐくむ場を用意することは、人材育成の上でも意義のあることと考えられた。
しかし、こうした教育は、従来の教科「工業」、「商業」等の枠組みの中だけでは十分に対応できるものではなく、これからの情報化社会を支える人材育成のため、専門教育に関する教科「情報」を新たに設置する必要がある』とされた。
それでも、教育現場の実態としては、WordやExcelを教えているところが多いそうです.普通教科としての「情報」なら,それもアリかも,と思いますが,WordやExcelを使うだけでは、ソフトウェア技術者は育成できないでしょう.
そこで,マジカル・スプーン! ...という話になります.詳しくは,組み込みネットのレポート(現在執筆中)を参照していただいて,と.
ラジコン飛行船と魔法のスプーンをみごとに扱える先生が登場してくださるのを,楽しみにしています.