DRAMをどう使うか? ――性能の改善技術とその性能を生かす選択方法

池田博明

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月17日

○● COLUMU1 ●○
メモリの容量と速度の表現方法

 メモリ容量の表現は,2のべき乗をM(メガ)やG(ギガ)で表現します.256Mビットは228ビットのことであり,268,435,456ビットです.512Mビットは229ビット,1Gビットは230ビットとなります.したがって,512Mビット×2=1Gビットという表現が使われます.メモリ素子単体の容量は「ビット(b)」で表現しますが,システムのメモリ容量は「バイト(B)」で表現します.また,1バイト=8ビットです.

 メモリの高速性を表現する代表的な値は,入出力のデータ転送速度(data rate)でしょう.クロック周波数とデータ転送速度が一致しているSDR世代では,データ転送速度もMHz単位で表現する場合がありました.しかし,DDR世代においてはクロック周波数の2倍がデータ転送速度となっており,その単位にはMbps(mega bits per second),またはMT/s(mega transfer per second)を用います.本稿ではすべてMbpsを用いました.

 転送速度の表現としてPC-133(133MbpsのSDRAM)とかDDR-333(333MbpsのDDR-I SDRAM)などと表す場合もあります.データ転送速度は,DRAMの入出力ピンごと(per pin)に表現されるので,システムの転送性能(Bandwidth;バンド幅)を示すにはメモリ・バス幅を掛けます.例えば,DDR-266のメモリ・システムが64ビット(=8バイト)のメモリ・バス幅の場合,そのバンド幅は266 Mbps×8バイト=2,133Mバイト/sとなります.この値の端数を切り捨てて,DDR-266のメモリ・モジュールのバンド幅を「PC-2100」と呼ぶ場合があります.

 DDR-IとDDR-IIの双方が400Mbpsに対応しているので,これらを明確に区別するためにDDR-IIについては表記に「2」を付け加えることが2002年12月のJEDECの会合で合意されました.以下にその例を示します.

  • DDR-XXX:DDR-Iデバイス(例:DDR-333,DDR-400)
  • PC-XXXX:DDR-Iモジュール(例:PC-2700,PC-3200)
  • DDR2-XXX:DDR-IIデバイス(例:DDR2-533,DDR2-400)
  • PC2-XXXX:DDR-IIモジュール(例:PC2-4300,PC2-3200)

 なお,バンド幅を用いたDDRモジュールの性能表記は,データ転送速度を用いたRambus DRAMモジュールの性能表記(PC-800,PC-1066など)とは異なっており,比較には注意が必要です.

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