DRAMをどう使うか? ――性能の改善技術とその性能を生かす選択方法

池田博明

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月17日

 活性化領域を限定することも電流削減に有効です.一般に,活性化領域は行(row)アドレス指定の際に決まり,列(column)アドレスで指定される範囲になります.列アドレスを用いないリフレッシュ動作では,活性化領域を小さくするための自由度がありません.書き込み/読み出し動作であれば,この自由度は存在します.行アドレスと列アドレスを同時に入力するSRAMインターフェース方式を採れば,活性化領域を細分化して消費電流を削減することができます.PSRAM(pseudo static RAM;疑似SRAM)の場合はこうした削減策を活用できます(図14)

 活性化領域を限定する手法は,リフレッシュ動作(行アドレス側)にも適用できる場合があります.モバイル機器などにおいて搭載DRAMのごく1部しか保持すべきデータが書き込まれていない場合,それ以外の領域のリフレッシュ動作で電流を消費する必要はありません.モバイル機器用DRAMではリフレッシュ動作の対象領域を1/4~1/8に限定してリフレッシュ電流を削減する機能が搭載されています(図15(b)).

f14_01.gif
〔図14〕動作領域限定によるアクティブ電流削減(列アドレス側)
行アドレスと列アドレスを同時に入力する疑似SRAMなどでは,列アドレス情報により活性化領域をアクセスするセルの近傍のみに限定することができる.これによりアクティブ電流を削減できる.

f15_01.gif
〔図15〕動作領域限定によるリフレッシュ電流削減(行アドレス側)
全領域(4バンク)を対象とするリフレッシュ動作(図中(a))を,(b)のように1/4領域(1バンク)や1/8領域(1/2バンク)に限定した場合(PASR:partial self refresh),リフレッシュ電流を大幅に削減できる.データ保持が不要の場合,(c)のようにリフレッシュそのものを停止することで,さらに電流を削減できる.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日