DRAMをどう使うか? ――性能の改善技術とその性能を生かす選択方法

池田博明

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月17日

●1T1Cセルのゆくえ

 現在のDRAMのセル構造は一つのコンデンサと一つのトランジスタの組み合わせ(1T1C)が前提であり,この構造が大容量メモリの基本構造として当面維持される見込みです.その一方で,別のセル構造を持つ大容量メモリの研究が精力的に行われています.現在のセルでは,電荷の有無を電圧に変換して'1'や'0'に対応付けますが,新しいメモリ構造における情報の保持手法には次のようなものがあります(ごく一部の紹介に留める).

  • 材料の抵抗値を変化させて情報を保持:MRAM(磁界で書き込み),OUM(熱で書き込み),RRAM(電圧で書き込み)
  • 材料の分極方向で情報を保持:FeRAM(強誘電体メモリ)
  • 量子井戸を活用するもの:PLEDM RAM

 これらの研究は日進月歩であり,最新情報の紹介は本稿の範囲を超えてしまいます.参考文献として,この分野の最新情報を体系的に網羅したBetty Prince氏の著書を紹介して務めを果たしたいと思います.


参考・引用*文献
 (1) Betty Prince,EMERGING MEMORIES,Kluwer Academic Publishers,2002.


いけだ・ひろあき
エルピーダメモリ(株)

◆筆者プロフィール◆
1977年からDRAMの設計・開発に従事.最初の担当製品は16Kビット DRAM.現在,エルピーダメモリ,Marketing & Designing Office,Future TechnologyのGeneral Manager.趣味はトライアル・バイクに乗って河原で転ぶこと.

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