Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

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最終打ち上げ報告(その1)からかなり時間が経ってしまいましたが、今回は「MWM」の報告を紹介します。

 


MWM

機器構成:ハードウェア

CPUR8C29
ロケットBaby Bertha (EST 1261)
加速度センサFreescale MMA7361L
無線通信モジュールXBee-Pro
エンジンC6-5

ユニバーサルボードでアクロバティックに作成されていますねぇ...

[制限事項]

  • ボーレート:115200bps
  • 通信可能距離:約140m
  • 電源電圧:3.3V
  • マイコンの処理は、PCからの処理開始コマンド受信から処理停止コマンドコマンド受信までとする
  • ノーズコーン(ペイロード含む)とロケット本体の重さは113g

[機能]

ペイロードをロケットに搭載し打ち上げ、取得した加速度データを地上に送信する。
地上では送られてくるデータをXBeeで受信する。

2回の打ち上げを行い、見事データ取得に成功しました。
そのデータが以下です。

あれ?
高度が余裕で300mを超えています。これ航空法に違反してる?

と思ったら、計測データのミスだったようです。

[チームからのコメント]

ロケットが最頂点に達した後、落下中も先頭が下向きになってしまったため、加速度センサが+軸方向の加速度を検知し続けてしまったためと考えられます。
落下中のロケットの姿勢を保てなかったのは、ノーズコーンの歪みや重さも原因であると考えています(ロケット画像を参照)。
正しくデータを取得するためには、搭載するハードウェアだけでなく、飛行体への影響や負荷を考慮し、さまざまな状況を想定しておく必要があると感じました。

[Hamana8に参加しての感想]

初めて基盤作成から行ったため、効率の良い手順など分からないことも多く、苦戦しました。
例えば、作成した基盤の通電確認をした際に、付けがあまく、やり直し等が何度かありました。
ソフトについては、「マニュアルを読んで、理解・設計が出来ること」を目標に進め、メンバー全員が達成できたと思います。
プロトタイプを作成中に、シリアル送信処理が上手くいかず、試行錯誤しながらも協力して解決できた時に達成感を得ることができました。
今回の処理に最適なメインクロックを考慮したり、処理内容から制御に適したプログラム構成を練っていく過程で、愛着を持ったり楽しさを感じました。

今回のHAMANA-8では、試射会を1度しか行うことが出来ず、マイコンを乗せて一度も試射を行っていないというあきらかなテスト不足のまま本番に臨むことになってしまいましたが、準備をしっかりと行い、本番では期待以上に上手くデータを取得することが出来ました。
各自が責任を持って取り組み、考え得る準備をしっかりと行えばそれに準じた結果が得られ、
自信にも繋がったと思います。
そういった面でも、得るものが多く、今後に繋がる体験だったと思います。

次回は「ブラック」の紹介をします。

鈴鹿サーキット

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Hamanaネタではありませんが、鈴鹿サーキットに行ってきました。

ホームストレートです。
広いです、長いです。車でビュ~ンと走ったら気持ちよさそうです。

第一コーナーから第二コーナーです。
曲がってます(コーナーだから当たり前だ)。
F1やSuperGTはここを300Km/hで入っていくそうで、ちょっと考えられないです。

さて、今回、何をしに鈴鹿にきたのかですが、それは、また近いうちに報告できると思います。

 

HAMANA8最終打ち上げ報告(その1)

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報告が滞ってしまって申し訳ありません
HAMANA8の最終打ち上げを昨年の11月12日に実施しました。
HAMANA8は天候に恵まれず試射は1回しか開催できず、また、最終打ち上げも延期という中で何とか開催できました。
最終打ち上げに参加したチームのうち、「GreenApple」「MWM」「ブラック」の3チームの報告を順次紹介していきます。
(赤文字は編集者コメント)

 


GreenApple

ロケット概要

名称Baby Bertha
型番EST 1261
全長41cm
重量33g
総重量118g

ペイロード構成

マイコンMB-R8C29
加速度センサMMA7361L
気圧センサMPS-2407-015AD
通信モジュールXBee PRO
オペアンプLM324N
その他動作確認用LED、降圧回路(3.3V、5V)
本体重量54g(電池含む)
格納部重量33g

開発期間

   2011.2.8~2011.11.11

打ち上げ結果:1回目

図1.XYZの位置関係(三次元グラフ)(一回目)


図2.加速度センサ(Z軸方向)、気圧センサ各々で算出した高度(一回目)

打ち上げは成功したが、データの送信が途中で止まってしまった。
図1をみると、ほぼ直線となっている為、ロケットの落下が始まる前に
データの送信が止まってしまったと思われる。
図2をみると、気圧センサのデータから算出した高度が波打っている。
ハードウェアマニュアルによるとAD変換時に誤差が±3あり、電圧に直すと約±14.7mVの誤差が出る。
さらに気圧に直すと約±8.58hPaとなり、高度に直すと約±74.9mとなる為、誤差の影響が大きく
波打つデータとなった。

A-D変換時の±3というのは、CPUのデータシートにある、誤差±2LSBのことでしょうか?
この誤差のことを言っているのなら、原因は違うところにあると思います。
A-D変換誤差というよりは、空気中を高速移動しているために発生する乱流か、A-Dコンバータの
入力端子に入ってくる信号にノイズが乗っている可能性のほうが高いと思うのですが...
停止中のデータが安定しているようなら、乱流の影響と考えられます。

【原因】
落下後のペイロードを確認したところ、乾電池が外れていた。
その為、マイコンにリセットがかかり、データの送信が止まっていた。
  【対策】
    乾電池が外れないように、テープで固定し、ニ回目の打ち上げを実施。
 

電池の固定にテープというあたりが、HAMANAらしくていいですねぇ
対策を実施して、2回目の打ち上げ結果です。

図3.XYZの位置関係(三次元グラフ)(ニ回目)

図4.加速度センサ(Z軸方向)、気圧センサ各々で算出した高度(ニ回目)

打ち上げは成功したが、データが途中で抜け落ちてしまっていた。
    図4をみると、約三分の一ほど抜け落ちていた。
    図3は、放物線を描いているが、グラフの元となっている位置データは、
前回取得したサンプリングデータを元にして算出した、速度と位置を基準にしている為、
放物線のデータが出てしまった。
気圧センサについては、打ち上げ一回目と同様。
【原因】
  落下後のペイロードを確認したところ、特に問題なかった為、受信が上手く出来ていないと推測。
  【対策】
  受信する場所を変え、XBee Proのアンテナを立て、受信状態を改善し、三回目の打ち上げを実施。

いやいや、電波は見えないので受信できるかどうかの確認は難しいですねぇ..
ZigBeeは2.4GHzなので、直進性が高く、ちょっとした遮蔽物で届かなくなってしまいます。
そして、3回目の打ち上げ結果が以下です。

図5.XYZの位置関係(三次元グラフ)(三回目)

図6.加速度センサ(Z軸方向)、気圧センサ各々で算出した高度(三回目)


見事、データ取得成功です。

報告内容には失敗事例が記載されていなかったのですが、そのあたりは別途インタビューして
後日、失敗事例集のような形で報告したいと思います。

次回はチーム「MWM」の報告を紹介します。