DRAMをどう使うか? ――性能の改善技術とその性能を生かす選択方法

池田博明

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月17日

3)大容量化に伴う過渡電流

 DRAMのセルには微少ながらリーク電流が存在するため,蓄積された情報は一定時間で失われます.セルの保持時間をtREFと呼び,これは通常64msです.外部リフレッシュ命令を均等な時間間隔で入力する場合,リフレッシュ動作は7.8μsに1回(15.6μsに1回の場合もある)と規定されています.これはtREF期間中のリフレッシュ命令入力回数が8,000回強(=64ms÷7.8μs)の一定値であることを示しています.このルールに従えば,世代交代でDRAM容量が2倍になると,リフレッシュ動作ごとに処理すべきセル数も2倍となります.

 倍増したメモリ・セル群を一気にリフレッシュすれば,過渡電流が著しく増大します.安定動作という面からは,大きな過渡電流の発生は回避しなければなりません.このため,DDR-II SDRAM以降からは1回のリフレッシュ動作で処理されるメモリ・セル群をグループ分けし,それぞれの動作開始時刻を少しずつずらして起動する機能(Piled Refresh)が新しく取り入れられました(図10).この機能によって動作電流のピークの位置を分散させて,過大な過渡電流の発生を抑えています.

f10_01.gif
〔図10〕過渡電流の低減(Piled Refresh)
リフレッシュ対象領域をいくつかのセグメントに分け,それぞれの動作開始時間を少しずつずらして過渡電流のピーク値を低減する.DDR-IIから採用された手法.

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