DRAMをどう使うか? ――性能の改善技術とその性能を生かす選択方法
●画像機器向けDRAM製品群
×32の構成を持つ製品群で,ポイント・ツー・ポイントのバス構成で高速に動作します.FBGAパッケージやODT(on die termination)が前提です.
- GDDR-II:VDD=2.5V,VDDQ=1.8Vで最大1Gbps動作.SSTL_18バス.
- GDDR-III:VDD=VDDQ=1.8Vで最大1.2Gbps動作.VDDQ終端バス.
●モバイル機器向けDRAM製品群
汎用DRAMインターフェースを維持したまま,低電圧化・低電流化を目指した製品群です.
- LP SDRAM(Low Power SDRAM):2.5V版SDRAM(汎用品は 3.3V).
- Mobile RAM:開発元はInfineon社,エルピーダメモリ.部分リフレッシュ,温度補正リフレッシュなど電力の削減機能を強化したLP SDRAM.三菱製品では疑似SRAM製品にこの呼称を用いる.
- Mobile SDRAM:開発元はMicron社,Samsung社.Mobile RAMの別称.
●モバイル機器向け疑似SRAM製品群
CPUなどとの親和性を高めるためにSRAMインターフェースを用いたDRAM製品です.
- CellularRAM:開発元はInfineon社,Micron社,米国Cypress Semiconductor社.16Mビット/32Mビットの×16構成の疑似SRAM.第2世代ではシンクロナス・バースト機能もサポート.VFBGAパッケージ.動作温度は-25℃~+85℃.
- MSRAM(Mobile Specific SRAM,モバイル用途RAMとも表記):開発元はNEC.32Mビットの×16構成.I/O電圧は1.8V.パッケージはテープFBGA.動作温度は-25℃~+85℃.
- UtRAM:開発元はSamsung社.32Mビットの×16構成の疑似SRAM.2.7V~3.1V動作.MCP(multi-chip package)に組み込まれて用いられる.
●Embedded DRAM (DRAMコア)
- eRAM(Embedded DRAM):開発元は三菱電機.DRAMコアの一般名称として用いられる場合もある.
- 1T-SRAM:開発元は米国Mosys社.高速DRAMコアを持つEmbedded DRAM.
上記のほか,以下に大学における研究例を示します.
- PPRAM(Parallel Processing RAM,九州大学)
- IRAM(Intelligent DRAM,カリフォルニア大学)
- PIM(Processor In Memory,ノートルダム大学)
- C-RAM(Computational RAM,トロント大学)
C-RAMは,Calcogenide RAM(Ovonic Unified Memory :OUM)を指す場合もあるようです.