DRAMをどう使うか? ――性能の改善技術とその性能を生かす選択方法

池田博明

tag: 組み込み

技術解説 2003年3月17日

4.通信用メモリはランダム・アクセスに対応する

 パソコンの場合と異なり,サーバなどの通信インフラ機器では,アクセスされる領域のランダム性が高いという特徴があります.そのため,メモリ・アクセス動作後は,次のアクセスが近傍であるか否かを判断せずに,自動的にプリチャージ動作を始められます.この場合,プリチャージ命令の入力時間を削除できるので,次々とアドレス・コマンドを入力することにより間断のないアクセスのパイプライン化(メモリ性能の向上)を実現できます.さらに,アドレスを1クロック・エッジで入力するnon-multiplexedアドレスを採用したり,あるいは行アドレスのビット数を汎用品に比べて大幅に増やすことでセグメント指定を細分化し,アクセス時の活性化領域を小さくして高速性と低消費電流を同時に実現します.

 これらの手法を取り入れた製品がFCRAM(Fast Cycle RAM)やNetwork DRAM,あるいはRLRAM(Reduced Latency RAM)などの通信インフラ用DRAMです.ただし,これらはピン数の増大,高セグメント化による内部配線領域の増大といった課題を抱えています.FCRAMは現在世界最高速のスーパ・コンピュータである地球シミュレータにも用いられています.RLRAMでは,DRAM内部のバンクを順次アクセスするという制限付きのパイプライン動作のもとで性能向上が図られています.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日