キャリア・パスをイメージしてスキル・アップを図ろう ――楽しくしごとをして人生を有意義に過ごす

二上貴夫

tag: 組み込み

技術解説 2004年6月14日

3 ここから始めるスキル・アップ

 次に,すべてのメカトロニクス・ソフトウェア入門者に役立つ「非技術的なスキル・アップ」について述べます.個々の具体的な技術ではなく,どういう考えかたでしごとを学び,熟練するかの方法についてのお話です.

 この業界に入ってから最初の10年間を考えた場合注5,メカトロニクス・ソフトウェア技術者の非技術的なスキル・アップは以下の4段階に尽きると思います.

  1. 言われたことを的確(迅速かつ正確)に行える.人と協調できる
  2. しごとの原理と背景を学び,改善できる.人に伝えられる
  3. 多くの原理,知識から方式を作り出せる.人をリードできる
  4. しごとを見つけられる.問題を提起できる

 それでは,この4項目を個別に見ていきましょう.

 注5;なお,10年目から20年目くらいになると,「組織をリードできる」,「ソフトウェアを普遍化できる」などのテーマがスキル・アップのポイントになるだろう.

● 第1段階:言われたことを的確に

 会社に入社した読者が最初にかかわるしごとは,たぶん「研修」です.ここで気を付けるべきことは,先月の自分と今月の自分は立場が全然違うのだという事実です.つまり,先月まで,みなさんはお金を払って勉強していました.今月からはお金をもらって勉強しているのです.これは「今日からは日が西から昇る」というくらいの天変地異が,みなさんに起こったことになります.だからといって,勉強させていただいているなどと卑屈になる必要はまったくありません.会社は,見込みのないところには決してお金を投じません.堂々と,「今の給料は近未来の貢献に対する先払いだ」くらいに思っていていいのです.たいせつなことは,期待にきちんと応えることです.具体的には,研修で出た項目をむやみに暗記するのではなく,言われたことを正確に理解することです.研修にせよ実務にせよ,会社の上司や指導者からいろいろな説明や指示が出ます.これを正しく理解することが,プロへの第一歩です.ここがいい加減だと何をやっても中途半端で,しごととして結実しません.「ことばで言われたことくらいわかるよ」と言いたくなりますが,実はこれがけっこう難しい.これができれば,会社は先払いどころか,今のみなさんに対してもお金を払ってくれます.

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