キャリア・パスをイメージしてスキル・アップを図ろう ――楽しくしごとをして人生を有意義に過ごす
1 メカトロニクスとは何だろう?
みなさんが「メカトロニクス」という広大な世界の中で,どの領域のしごとをするのかはわかりません.しかし,現代においては,どのような領域であっても共通する問題があります.それは,ソフトウェアを利用することです.
メカトロニクスとは,図2のような3次元の機構を扱う機械工学(メカニクス)と写真1のような電子工学(エレクトロニクス)を組み合わせた技術分野を指します.つまり,機構と電子回路注1を組み合わせることを指します.
そういう意味では,コンピュータが登場する以前からメカトロニクスは存在していました.4サイクル・エンジンには,昔からプラグに点火する電子回路が必要でした.ほかにも工作機械を自動的に制御したり,アナログの電子回路で空調(air conditioning)を制御するなど,多種多様な応用分野があったわけです.
注1;最近は,CPUがなくてもFPGA(field programmable gate array)などの論理がソフトウェアの役割を果たすため,ノイマン型コンピュータとソフトウェアの関係の必然性は薄まりつつある.つまり,CPUがなくてもメカトロニクス・ソフトウェアの開発が必要なシステムが現れている.
図2 機械工学(メカニクス)の例
米国SolidWorks社の3次元CAD(computer aided design)ツールで描いた風洞の機構図.機械工学では,このような3次元の機構を扱う.
写真1 電子工学(エレクトロニクス)の例
日立超LSIシステムズの評価ボード「SH7727 Solution Engine」.