キャリア・パスをイメージしてスキル・アップを図ろう ――楽しくしごとをして人生を有意義に過ごす
● 忙しさにかまけず,スキル・アップを意識せよ
メカトロニクス・ソフトウェアの設計・作成ができるようになると,しごとにはまったく不自由しません.ハードウェア技術者(=機構技術者+電子技術者)や営業,マーケティングから見て,作ってほしいものはいくらでもあります.その需要に応えているだけで,ほんとうに忙しい日々を過ごすことができます.まさに光陰矢のごとし,あっという間に月日は過ぎていきます.
ただ,この間に意識して自分のスキル・アップを図っていくと,10年目以降の技術者ライフが楽しいものになります.逆に,意識しないで忙しさにかまけていると,単にある技術的な課題をコンピュータにやらせることができるだけの「たこつぼ職人」になってしまいます(本書を読んでいるみなさんは心配ないでしょうが,油断は大敵).
最近の傾向では,3年目や5年目にコンサルタントになるという人もいて,筆者の時代から比べるとキャリア・アップも加速していると感じます.しかし,現場の知識や経験を積むことをスキップすると,いわゆる持ち弾の少ない人間になりがちです.運命には逆らえませんが,あまりキャリア・アップをあせることはお勧めしません.