無線ネットワーク設計の考え方 ―― アクティブRFIDタグを用いて無線システムを構築するには
● アクティブRFIDタグ・システムの代表的な使用例
ここでは,アクティブRFIDタグ・システムの代表的な三つの使用例を簡単に説明します.
1) 固定資産管理システム
企業や学校の固定資産や貴重品にアクティブRFIDタグを取り付けます.基本機能としては,一定の時間間隔でID情報を電波で発信し,リーダでその情報を読み取ります.ID情報は別の通信手段でサーバに集められます.ID情報はタグが取り付けられた対象物の名称にひも付けされ,管理対象物が所定の場所に存在しているかどうかが分かります.
2) 建物内位置測定システム
企業や学校などの敷地内において,その職員や来訪者にアクティブRFIDタグを付帯してもらいます.タグからは移動を検知するセンサを使用して,タグを持った人の移動中に短い間隔で電波を発信させます.移動が終わり,ある場所に止まっている時は,比較的長い間隔で電波を発信させます.敷地内には位置を知りたい場所にリーダを配置します.これらのリーダからの情報をサーバに集め,解析することにより,人の移動や所在の情報をリアルタイムに取得できます.
3) 児童登下校見守りシステム
児童が学校へ登下校する際に,ランドセルやかばんにアクティブRFIDタグを付けて移動します(写真3).タグからは,一定間隔もしくはセンサを使って効率的に電波を発信させます.その電波を,校門や通学路の要所に設置したリーダで受信し,各エリアを児童が通過したことを認識します.情報はサーバで処理され,必要に応じて保護者への連絡や通報を行います.