無線ネットワーク設計の考え方 ―― アクティブRFIDタグを用いて無線システムを構築するには

松井幸夫

tag: 電子回路

技術解説 2007年4月25日

● 時間・空間情報を「連続的」に扱える

 先に述べたとおり,現実世界の情報は,時間・空間情報をはじめ,多くの情報を合わせ持ちます.単なるID情報だけでは情報量が少なく,実際にはあまり意味を持ちません.パッシブRFIDタグ・システムでは,「どこの」リーダで「いつ」読み取ったかを付帯情報として扱います.これによって初めてID情報の意味が生まれます.つまり,パッシブRFIDタグ・システムでは時間・空間情報が「離散的」であり,現実世界のほんの一部を切り取っているに過ぎないといえます.

 この弱点を解決しうるのが,アクティブRFIDタグ・システムです.アクティブRFIDタグ・システムは,時間情報を「連続的」に扱えますし,リーダに電波が届く範囲であれば空間情報を扱うことも可能です.

 しかし,アクティブRFIDタグ・システムにおいても,無制限にリーダを配置することは非現実的です.また,時間軸のパラメータを不用意に細かくすれば,パッシブRFIDタグ・システムの場合と同じように,通信手段や処理手段,記録手段に負担がかかります.

 現在の携帯型機器の電力は,AC(交流)電源や充電池(2次電池)による駆動が前提になっていますが,人や物に付けるタグはどうでしょうか.頻繁な充電はもとより,AC電源駆動であっても非常に使いづらいことは想像がつくと思います.もともと,小型の電池によって長期間動作することが求められているのです.

 単純な話として,データ量が多くなれば通信時間が長くなり,それだけ電力を消費します.また,電池容量とタグの外形サイズは密接に関係します.

 これらの情報の種類や送信頻度,電池容量,外形寸法などさまざまな仕様が密接に絡み合っているアクティブRFIDタグは,もともと製品設計がかなり難しいといえます.

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