3原色配列コードや電子ペーパ一体型RFIDタグなどに注目 ―― 第12回自動認識総合展

福田 昭

tag: 組み込み 電子回路

レポート 2010年9月21日

 自動認識の技術と製品を集めた展示会「第12回自動認識総合展」が,2010年9月15日~17日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された(写真1).主催者である社団法人日本自動認識システム協会によると,出展社・団体数は129社と5団体,出展小間数は312である.来場者数は27,409名で,昨年の22,880名から増加した.

写真1 第12回自動認識総合展の受付

●3原色の遷移で情報を記録

 自動認識総合展ではバーコード・スキャナやRFIDタグ,生体認証などの最新技術が披露される.自動認証システムを大別すると,物流系や医療系などの物体(商品や書籍,ファイルなど)を認証するシステムと,消費者や従業員などの個人を認証するシステムに分かれる.認証には「タグ」と呼ばれる識別子が普通は使われる.物流系の認証システムでは,タグはさまざまな形状をしており,一目ではタグと分からないものが少なくない(写真2).これに対して個人認証システムでは,タグはクレジット・カードと類似のカード形状であることが多い.

写真2 六角ボルト状やスティック状のRFIDタグ
200℃の高温に耐える.デジタル・インフォメーション・テクノロジーの製品.

 タグの認証方式で最も普及しているのは,しま模様で文字や数字などを表記したバーコードだろう.バーコードは商業印刷機はもちろんのこと,プリンタといった簡易印刷機で作れるので,非常に安価である.おおよそ13~18個の文字・数字をコード化している.読み取りにはイメージ・センサ式あるいはレーザ走査式のバーコード・スキャナを使う.

 バーコードを発展させた技術に2次元コードがある.2次元コードは,バーコードよりも多くの文字や数字などを格納できる.2次元コードの代表はQR(Quick Response)コードで,自動認識システムの大手ベンダであるデンソーウェーブが1994年に開発した.QRコードは最大で7,089個の数字を格納できる.なおQRコードが普及した理由には,デンソーウェーブが特許権を行使しないと宣言したことが大きい.QRコードの読み取りには,2次元イメージ・センサを内蔵したスキャナを使う.

 今回の自動認識総合展には,これらのコードとはまったく異なるコードが登場した.考案し,試作品を展示したのは自動認識システムのベンダ,サトーである.赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色を配列したコードで,隣接する色の違い(色の遷移)でビット(1あるいは0)を記録する(写真3).コードは細長く一筆書き状になっており,カメラでコード全体を読み取ってビット列に変換する.ビット数を増やすときは折り曲げてU字状にしたり,スパイラル状にしたりする.

写真3 RGB3原色の配列でデータ・ビットをコード化した「colorbit(カラービット)」

 「colorbit(カラービット)」と名付けられたこのコードは,R→B→G→Rの変化が「1」,R→G→B→Rの変化が「0」に対応する.バーコードよりも細長いので,書籍やファイル・ホルダなどの背表紙にコードを貼り付けて並べ,カメラで一括してコードを読み取れる(写真4).色の違いを認識するので,コード形状のひずみやボケ(撮影時のアウトフォーカス)などに強いとする.

写真4 「colorbit(カラービット)」を本の背表紙に貼り付け,カメラによって読み取らせているところ

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