無線ネットワーク設計の考え方 ―― アクティブRFIDタグを用いて無線システムを構築するには
5.無線タグ・システム特有の注意点
● 自然界(現実世界)の情報には「ウソ」がある
自然界には,対象としている情報以外にも無数の情報が存在します.自分が欲しい情報以外は,いわゆる「ノイズ」であり,場合によっては「ウソ」の情報にもなりえます.必要な情報を探し出し,ノイズを除去して情報の信ぴょう性をいかに上げられるかが,自然界を対象とするシステムにとって重要です.
● タグと対象物をかい離させない工夫が必要
有意義な情報を効率良く取得するには,タグとそれによって情報を得ようとする対象物について,できるだけ時間と場所を一致させる必要があります.そのためには,タグと対象物の時間および場所をかい離させない工夫や,かい離した場合に補正する仕組みもシステムとして重要な要件です.
● タグが自律的に故障を監視する必要がある
アクティブRFIDタグ・システムは,情報が分散し,処理も分散しているシステムです.場合によっては,アクティブRFIDタグがスタンドアロン(単体)で動作することもあります.このような離散的なシステムにおいて,システムの構成要素が自律的に故障した場所や機能を監視・判断することが必要です.特に,アクティブRFIDタグ・システムの場合,「タグの故障」と「通信範囲外への移動」は一見同じ状態に見えるので,その区別は重要です.