パソコン周りのケーブル追放を目指すCertified Wireless USBの動向 ―― USBはWireless USBに置き換わるか?
● 「Certified Wireless USB」ロゴ取得法が未確立
いずれにせよ,UWBという無線技術の利用が公に可能となりました.免許の不要な無線局として財団法人 テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)の機器の認証サービスが始まり,その試験に合格すれば,製品として市場に出荷できます.UWB無線機器は「超広帯域無線システムの無線局に使用するための無線設備(超広帯域無線システム)の特性試験方法」に準拠して試験が行われます.この試験に合格すると,認証済み製品として市場へ出荷できます.問題は,「Certified Wireless USB」ロゴ取得のための方法がまだ完全には確立されていないことです.ロゴ取得方法については,USB-IF(USB-Implementers Forum)のWebサイト(http://www.usb.org/)で関連資料を入手できますが,これはUSB-IFのメンバのみにしか開放されていません.
当初,Wireless USBの実装技術としては,PHY層とMAC層を別々に実装した部品が市場に流通していました.最近,ようやくPHY層とMAC層の両方を搭載したチップや送受信モジュールが登場し,「CEATEC JAPAN 2006」などで展示され始めました.具体的な製品開発に進める下地が整ってきたと言えそうです.
● 既存のUSB 2.0を置き換える新製品が出始めた
先日,ワイ・イー・データよりホスト・ワイヤ・アダプタが発表されました.この手の新しい技術が普及するに当たり,いきなり丸々,新しい機能を搭載した製品は出てきません.まずは,既存のUSB 2.0を無線化することにより,市場でWireless USBの恩恵を理解してもらいながら次のステップへ進むという方法がとられます.
後述しますが,既存のUSBホストと接続するWireless USBの変換アダプタをホスト・ワイヤ・アダプタ(HWA)といい,既存のUSBターゲットと接続するWireless USBの変換アダプタをデバイス・ワイヤ・アダプタ(DWA)といいます.