パソコン周りのケーブル追放を目指すCertified Wireless USBの動向 ―― USBはWireless USBに置き換わるか?
● 低帯域のみ対応するか高帯域も対応するか
これらを総合すると,2008年までの期限付きとしてならコスト的にも時間的にも負担の少ないWireless USBデバイス製品を開発できそうです.さて,作り手としてはどうでしょうか.
条件付きでバンド3に対応した機器を開発するか,それを行いながら高帯域のバンド9~バンド13で動作する機器を開発するか,選択を迫られるかもしれません.
実際,後述するワイ・イー・データ製「USB Wireless HUB/Dongle」は,このバンド3の帯域を使用した製品として設計されています.
北米向けに機器を開発する場合,レーダが利用する帯域での干渉を考慮しなければならないバンド13を除いては,どこの帯域(バンド)でも制約なしに製品を開発できます.これでは北米向け専用モデルになってしまい,他国へ販売できません.言い換えると,日本メーカのエンジニアは,北米市場向けのWireless USB機能を搭載した機器と国内市場向けの2種類を開発しなければなりません.もしくは,二つの機能が組み込まれたハイブリッド型の機器を開発しなければならないことになります.これはどう考えても,コスト高の原因となります.筆者としては,これがWire-less USBの普及の足かせにならないことを祈ります.