パソコン周りのケーブル追放を目指すCertified Wireless USBの動向 ―― USBはWireless USBに置き換わるか?
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Wireless USBはUSBを置き換えるか?
● 反響の少なかったUSB 1.0
図Aを見ると分かるように「Access.Bus」は失速し,その代わりに1996年にUSB 1.0が登場しました.昔,筆者が持っていたIBM社製のデスクトップ・パソコン「Aptiva」には,すでに当時のIntel社製930チップセットが搭載されていたため,USB 1.0のポートが2基装備されていました.しかし,OSはWindows 95 OSR2であり,USBにはまだ対応していませんでした.カタログに記載されていた「将来の機能拡張のため」という注意書きに従うしかありませんでした(もちろん開発者向けWindows 98のベータ版があれば動作したが,メーカ保証は得られない).1998年6月にWindows 98がリリースされるまでの間,Windows 95 OSR2.5というOSがOEM版のパソコンに搭載され始めました.このとき,何社かのメーカが精力的に展示会などで「USBの普及」を強調しましたが,反響は少なく,当時の秋葉原のパソコン・ショップでも「USB周辺機器コーナ」は隅の方に追いやられて寂れていたことを筆者は覚えています.今のように家電量販店に行って,いとも簡単にUSBケーブルを買えるような状況ではありませんでした.
いざ,Windows 98がリリースされても,当時は,オフィスのネットワーク環境で使用されているWindows NT3.5がUSBをサポートしていませんでした.家庭やオフィスを含めてUSBを使う機会は少なく,USBを備えたデバイスもあまりありませんでした.あえて言うならば,もしあのままOSの対応が遅れていたら,USBの普及はさらに遅れていたのかもしれません.