パソコン周りのケーブル追放を目指すCertified Wireless USBの動向 ―― USBはWireless USBに置き換わるか?
● USB 2.0プロトコル・アナライザ
前述のプロトコル解析ソフトウェアは,図5と似ていますが,図11のような「エア・トラフィック」のほかに,USB 2.0(有線)のトラフィックを記録しながら解析を行う場合も想定されています.Wireless USBが考案された初期の段階で「Wireless USB Adapter Class」というクラス・コマンドが定義されており,そのデコード機能を使うことにより,DWAとUSB 2.0デバイスの間やHWAとUSB 2.0ホスト・パソコンの間のバス・トラフィックの解析を行います.
図11 USB 2.0(有線)の解析が必要になる場合の構成
USB 2.0プロトコル・アナライザを使い,USB 2.0デバイスとHWA,DWAの間のそれぞれのUSB 2.0(有線)を解析する.Wireless USB Wire Adapterというデバイス・クラスが存在するため,その部分のデコード機能を使って解析を行う
また,半導体メーカにおいて,PHYとMAC/ベースバンドを別チップとして開発する際にPHYとMAC/ベースバンドの間の信号をモニタしたり,このPHY-MACインターフェースの解析を行ったりすることも想定されます.ただし,将来1チップ化されると,チップ外部にPHY-MAC信号が引き出されない限り,これを解析する方法はなくなるかもしれません.