設計の基本は仕様の理解 ――高速シリアル通信を実現するために知っておくべき最低限の知識

掛須利夫

tag: 組み込み 半導体 実装

技術解説 2004年1月30日

2.480Mbpsシリアル通信が普及し始めた

 さて,ここからは高速シリアル通信の具体例として,USB2.0について説明していきます.USB 2.0 は,Universal Serial Bus Specification Revision 2.0の略称です.

 一般に,USB 2.0と言えばハイスピード・モード(最大データ転送速度480Mbps)に,USB 1.1はフルスピード・モード(同12Mbps)とロースピード・モード(同1.5Mbps)に対応した通信規格の意味で使われていますが,これは正しくありません.USB 2.0規格は,上記のすべてのデータ転送速度を含んでいます.USB 2.0接続が可能な機器の例を図5に示します.このほか,USBの接続容易性を理由に,監視カメラやオーディオ機器などでもUSB2.0ハイスピード・モード対応製品が多数開発されています.

 また,USB 1.1とUSB 2.0の通信機能の違いを表1に,USB 2.0のプロトコル階層を図6に示します(トークンやハンドシェークなどの詳細については後述).

f05_01.gif
〔図5〕USB接続機器
USBを介して接続するパソコン周辺機器の例を示す.

〔表1〕USB 2.0の通信機能

通信機能 USB 1.1 USB 2.0
トランシーバ ・48MHzディジタルPLL
・12Mbpsの伝送速度
・CMOSドライバ
・差動レシーバ
・480MHzクロック・リカバリ
・スケルチ回路
・電流モード・ドライバ
・高精度出力抵抗
・480MHz PLL
シリアル・インターフェース・エンジン(SIE) ・12MHzのシリアル-パラレル変換
・1ビット/クロックのデコード
・480MHzのシリアル-パラレル変換
・16ビット/クロックのデコード
・拡張テスト・モード
アーキテクチャ ・2Mバイト/sのI/O帯域幅 ・60Mバイト/sのI/O帯域幅
バルク・パケット ・最大64バイト
・最大17パケット/フレーム
・最大512バイト
・最大112パケット/フレーム
アイソクロナス・パケット ・最大1,024バイト
・最大1パケット/フレーム
・最大1,024バイト
・最大24パケット/フレーム
・最大3パケット/マイクロフレーム

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〔図6〕プロトコル階層
USB 2.0のプロトコル階層はそれほど深くない.大きく分けると,図のように3階層になる.

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