設計の基本は仕様の理解 ――高速シリアル通信を実現するために知っておくべき最低限の知識
3)コネクタ・ピン配置
USB 2.0で規定されているピン番号と信号配置を図10と表2に示します.
まれにですが,USB信号ラインのD+とD-をクロスして基板を設計してしまい,動作しないというトラブルの相談があります.ある設計者の方はしかたなくジャンパ線で修正したようですが,この処置はインピーダンス整合の理由から好ましくありません.Intel社の「High Speed USB Platform Design Guidelines(http://www.usb.org/developers/docs/hs_usb_pdg_r1_0.pdf)」という設計指針にもスタブ(Stub)の項目があり,注意を促しています.スタブとは伝送線路のインピーダンスに影響を与える突起物の意味で,もともとは無線用語です.
4)コネクタの基板レイアウト
プリント基板を設計する際に必要となるパターン・レイアウトについても仕様書に示されています.プリント基板の設計については,本特集の第2章と第3章で詳細を述べます.
〔図10〕ピン配置
USB信号ラインのD+とD-をクロスして基板を設計しないように注意する.
〔表2〕コネクタ配線
コンタクト番号 | 信号名称 | 標準配線割り当て |
1 | VBUS | 赤 |
2 | D- | 白 |
3 | D+ | 緑 |
4 | GND | 黒 |
シェル | シールド | ドレイン・ワイヤ |