統合型プリント基板CADツールの運用方法 ――回路設計者とプリント基板設計者の共同作業を成功させよう!

城野幸男

tag: 実装

技術解説 2003年5月29日

●伝送線路シミュレータの三つの使いかた

 では,実際に伝送線路シミュレータの利用例を示してみたいと思います.この統合型ツールの伝送線路シミュレータは,配線パターンの反射とクロストークによる信号の劣化を,波形と数値によって表示します.具体的には,以下の3種類の使いかたがあります.

1)全配線パターンの特性インピーダンスを計算

 シミュレーション・モデルの設定や各配線の動作速度を設定しなくても,すべての配線の特性インピーダンスを自動計算して表示させることができます.特性インピーダンスの管理が求められている場合には,この方法によって,規定に合致しているかどうかを確認できます.

2)全配線パターンの信号劣化を解析

 これは,設計ルール・チェック(DRC:design rule check)機能を起動して,全配線の特性劣化のチェックとルール違反を一度に解析するという使いかたです.この使いかたでは,使用しているすべての部品のモデルとすべての配線の動作周波数を設定する必要があります.そのため,準備に時間がかかります.モデルと動作周波数の設定はすべて回路図上で行います.高速ディジタル回路の知識が乏しい外部の業者にプリント基板設計を委託する場合には,効果的な方法です.

3)特定の配線を集中的に解析

 問題になりそうな配線だけを個別にチェックし,必要に応じて対策を加えるという使いかたです.この場合,モデルと動作周波数の設定は必要な箇所だけで済むため,どこが問題になるのかが,おおよそわかっている場合には,これがもっとも効率的な方法です.

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