統合型プリント基板CADツールの運用方法 ――回路設計者とプリント基板設計者の共同作業を成功させよう!
4)回路図やVHDLによるFPGA開発
回路図上のシンボル(ブロック)にVHDLファイルを関連付けることにより,回路図の中にVHDL記述を埋め込むことができます.これにより回路図とVHDLを混在させた回路を表現できます(図5).回路図エディタはVHDLブロックの階層エディタになります.
また,回路図によって米国Altera社と米国Xilinx社のFPGA/PLDを設計するため,セルのシンボル・ライブラリが用意されています.FPGA/PLDを使ってボード・レベルの設計を行う場合に必要となるパッケージ・シンボルやフットプリント・ライブラリも含まれています.さらに,FPGA/PLDの配置配線ツール(フィッタ)が出力したピン定義ファイルを読み込むことにより,自動的にパッケージのピン割り付けを設定・変更することができます(図6).
このような設計入力機能に加えて,VHDLシミュレータや論理合成ツールも備えています.
5)外部データベースとのリンク
回路図シンボルのプロパティ・フィールドに,外部データベース・テーブルをリンクし,部品リストを出力するときに参照することが可能です.この機能を利用すると,例えば外部のデータベースにアクセスし,回路図エディタから出力する部品リストの部品価格を最新の情報に更新するといったことを実現できます.SQLやMicrosoft
Accessテーブル,およびODBC(open database connectivity)を経由して,ほかのデータベースのテーブルと接続します.
〔図5〕回路図とVHDLの混在設計,およびシミュレーションと論理合成
VHDLで設計された4ビットのBCD(binary code decimal)カウンタを2段,回路図上で接続している.トップ・レベル(最上位階層)の定義に回路図を使うという用法である.回路図の中にはインバータの回路図シンボルも混在している.回路図上でのVHDLファイル/エンティティとの関連づけの方法とEDIFネットリストを出力するまでの手順を示している.