統合型プリント基板CADツールの運用方法 ――回路設計者とプリント基板設計者の共同作業を成功させよう!
●回路図エディタを中心にツールが連携動作
設計入力機能としては,回路図エディタを中心に回路シミュレータとPLD/FPGA設計ツールが統合されています.統合型ツール内部での密な連携に加え,他社製CADツールのファイルを読み書きする機能も備えています.
1)統合ライブラリ
回路図シンボルに,プリント基板設計用のフットプリントやSPICEシミュレーション・モデルをリンクするだけでなく,ライブラリ・データ自体を一つのライブラリ・ファイルとして管理します.VHDLデータやIBISモデルは別ファイルとして格納されており,回路図シンボルのプロパティによりリンクして呼び出します(図4).
2)レイアウト・ツールとの同期
回路図エディタ上で回路を変更した場合,コマンド一つで変更内容をレイアウト・ツール上のレイアウトに反映できます.またクロス・プロービング機能により,回路図とレイアウトを相互に照合できます.
3)SPICEシミュレータの起動
プリント基板用の回路図からコマンド一つでシミュレータを起動し,シミュレーションを開始できます.
〔図4〕統合ライブラリ
回路図シンボルのプロパティに,各ツールで使用するライブラリやモデルが割り付けられている.統合ライブラリにプリント基板のフットプリントやシミュレーション・モデル,I/Oモデルを割り付けておけば,レイアウト設計やシミュレーションをすぐに実行できる.フットプリントとシミュレーション・モデルについては,統合ライブラリの中にデータのコピーを保持する.