統合型プリント基板CADツールの運用方法 ――回路設計者とプリント基板設計者の共同作業を成功させよう!
5)4層基板でリンギングを止める
リストされている配線の特性インピーダンスを調べてみると,両面基板としては妥当な250Ωくらいの値を示しています.これを4層に変更すると特性インピーダンスは大きく下がり,リンギングは減るはずです.ほかの高速部分の問題も一挙に解決できるので,いちばん手っ取り早い方法です(ただし,基板コストは上昇する).4層基板に変更して,再度シミュレーションしてみました.
その結果は図14のとおりで,みごとにリンギングは解消されています.特性インピーダンスを見てみると80Ω程度に下がっています.
〔図14〕プリント基板を4層に変更した場合の特性
ほとんどの配線のインピーダンスが80Ω近辺に下がっており,A14は82.08Ωになっている.信号の劣化は大幅に改善されている.