統合型プリント基板CADツールの運用方法 ――回路設計者とプリント基板設計者の共同作業を成功させよう!

城野幸男

tag: 実装

技術解説 2003年5月29日

●豊富な設計ルールと自動機能を備えたレイアウト・ツール

 次に,統合型ツールのレイアウト設計のための機能をいくつかリストアップします.

1)設計ルール・チェックと伝送線路シミュレータ

 最近の統合型ツールは「ルール・ドリブン」と呼ばれるコンセプトに基づいて開発されており,広範囲の設計ルールのチェック機能を備えています.また,伝送線路シミュレータを使って,配線パターンの高速ディジタル信号の劣化をチェックすることができます(図7)

2)回路図エディタとの同期

 レイアウト・ツール上でレイアウトを変更した場合,コマンド一つで変更内容を回路図エディタ上の回路に反映できます.またクロス・プロービング機能により,レイアウトと回路図を相互に照合できます.

3)自動配線機能

 レイアウト・ツールの対話型設計(人手による設計)の画面
から,コマンド一つで自動配線機能を起動できます.このため,人手による配線の途中で自動配線機能を起動し,自動で配線した結果が悪ければまた人手による配線に戻るといった使いかたができます.特定のエリアのネットを指定する半自動配線の機能もあります.配線作業にあまり時間を割けない場合に使用します.

4)ウィザード(Wizard)

 ウィザード・タイプの操作ガイド機能が用意されている場合,プリント基板設計やツールの機能を熟知していなくても,順に表示されるダイアログボックスの指示に答えるだけで,設定や複雑な作業を完了させることができます.Protel DXPでは,基板外形と設計条件の初期設定を行う「Board Wizard」,フットプリントを自動的に作成する「Create New Component Wizard」,設計ルールの設定を簡素化する「Design Rule Wizard」,フォーマットの異なる旧バージョンのPCBファイルの読み込み時に使用する「Protel DXP Import Wizard」が用意されています.プリント基板設計には手間のかかる繰り返し作業が少なくありません.熟練した設計者でも,これらのウィザードを利用して作業負荷を軽減する必要があります.

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〔図7〕伝送線路シミュレータと協調して動作する設計ルール・チェック機能
伝送線路シミュレーションによる解析結果をもとにして,設計ルール・チェックを行える.波形の劣化の許容値を指定して,エラーを検出する.この例では,基板上のすべての配線が100MHzでチェックされる.

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