統合型プリント基板CADツールの運用方法 ――回路設計者とプリント基板設計者の共同作業を成功させよう!

城野幸男

tag: 実装

技術解説 2003年5月29日

 しかし,よく見るとむだな配線の折れ曲がりやT分岐している部分があります.また,エラーが残っている部分があるので,この部分は人手で修正する必要があります.自動配線したものは,人手による配線のものと比べると配線が分散しています.このため,人手による配線でははっきりと束になっているバスが,自動配線ではどこを走っているのかよくわかりません.内層でグラウンドを配線する4層基板では特に問題ありませんが,両面基板の場合には広いグラウンドのベタ・エリアを確保できないため,ノイズに対して不利になります(図17)

 この自動配線に用いたパソコンのCPUはPentium MMX(動作周波数は233MHz),メイン・メモリは256Mバイトです.4層基板の配線に25分44秒かかりました(図18).筆者の感覚では,パソコンの非力さを考慮しても遅いように思いましたが,最近のコンピュータはこの10倍くらいの速さで動作するので,実用性に与える影響はそれほど大きくないと思います.

 この結果から,筆者自身の自動配線ツールに対する評価は,「多少頼りないが,うまく使えば十分しごとの役に立つ道具」といったところです.このように実際に試してみると,自動配線ツールの癖がわかります.自動配線ツールは万能ではなく,また製品ごとに強い癖を持っています.自動配線をしごとに役立てるためには,癖と能力の限界を理解してうまく使いこなすことがたいせつです.

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〔図17〕自動配線した基板にはベタ・エリアが配置しにくい
広いグラウンドのベタ・エリアを確保できないため,両面基板の場合にはノイズに対して不利になる.

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〔図18〕自動配線の処理時間
使用したパソコンのCPUはPentium MMX(動作周波数は233MHz),メイン・メモリは256Mバイト.4層基板の配線に25分44秒かかった.

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