磁界結合を利用した"ワイヤレスICE"を開発 ―― マイコンのデバッグ用I/O信号が不要になる
組み込みシステムを開発する際,インサーキット・エミュレータ(ICE)を用いたデバッグがよく行われる.ICEを使うには,マイコンにICE用のピンを割り当てたり,ICE用のコネクタを準備したりする必要があり,ハードウェア設計の制約となっている.ICEを使うことによるこのようなハードウェア制約から解放してくれる,ワイヤレス接続のデバッグ・システムをルネサス テクノロジと慶應義塾大学が共同で開発した. (編集部)
この記事のテーマは,組み込みシステム開発に使われる「開発ツールの技術と開発動向の紹介」です.
2006年11月の「Embedded Technology 2006(以下,ET2006)」(パシフィコ横浜にて開催)において,ルネサス テクノロジと慶應義塾大学理工学部 電子工学科の共同研究にて試作・実演した「磁界結合無線デバッグ・システム」について解説します(写真1).
1台のパソコンを使って,2台のオンチップ・デバッグ・エミュレータを制御している.1台は,データ送信(磁界結合無線デバッグ・インターフェース)用,もう1台は,データ受信(有線シリアル・インターフェース)用として構成.