磁界結合を利用した"ワイヤレスICE"を開発 ―― マイコンのデバッグ用I/O信号が不要になる
2.磁界結合無線デバッグ・システムってどんなもの?
● マイコンとICEが非接触で通信できる!
従来のシステムと今回試作した磁界結合無線デバッグ・システムの構成を図2に示します.一番大きな差異は,マイコンとオンチップ・デバッグ・エミュレータの間の接続方法にあります.従来のシステムは有線シリアル通信でしたが,今回の試作品は,磁界結合無線デバッグ・インターフェースによる非接触通信です.
従来のエミュレータと今回試作したシステムの構成を比較している.一番大きな差異は,マイコンとオンチップ・デバッグ・エミュレータの間の接続方法にある.今回の試作品は,磁界結合無線デバッグ・インターフェースによる非接触通信であり,従来システムは有線シリアル通信であった.
● マイコンとICEの接続が不要に,使えるI/Oが増加
組み込みシステムとエミュレータの間の通信が無線,非接触になることにより,表2に示すメリットが生まれます.直感的に分かりやすいのは,デバッガとの接続ピンが不要になることです.例えば,20ピン・マイコンの場合,1本のI/Oは全I/Oの5%に相当します.1本でもI/Oが増える(デバッグ通信用の専用ピンを削除し,汎用のI/Oとする)メリットは大きいと考えられます.