磁界結合を利用した"ワイヤレスICE"を開発 ―― マイコンのデバッグ用I/O信号が不要になる
● 対になるコイル同士で通信を行う
図4に無線プローブ(フレキシブル基板)とマイコンに設けたコイルを示します.無線プローブとマイコンのコイルは1対1の関係であり,ペアになって通信します.これらのコイルは,今回が初めての試作であり,それぞれの特性を評価するため,(1)同期クロック:CLK,(2)受信:RX,(3)送信:TXの役割に分けました.
プローブ基板は,マイコンのパッケージ上面に両面テープではり付けているだけである.プローブ基板とマイコンのそれぞれに三つのコイル(CLK,RX,TX)を持たせている.プローブ基板のコイルは1.0mm角,マイコンのコイルは0.6mm角という大小関係である.
● 通信距離に応じてコイルの大きさが変わる
図5に示すように,通信距離は2±0.5[mm]としました.マイコンのパッケージ上面に無線プローブを両面テープで固定し,通信を実現する簡便な構造としています.コイルの大きさ(無線プローブ1.0mm角,マイコン0.6mm角)と通信距離は,フレキシブル基板を手で取り付ける際の位置ずれも考慮した大小関係になっています.
マイコン・パッケージ断面と通信距離を説明している.プローブ基板とマイコンの通信距離は,2±0.5[mm]となっている.マイコンのパッケージ上面に無線プローブを両面テープで固定し,通信を実現する簡便な構造としている.コイルの大きさ(無線プローブ1.0mm角,マイコン0.6mm角)と通信距離は,フレキシブル基板を手ではる位置ずれも考慮した大小関係になっている.
以上を踏まえて,今回は表3に示す仕様でデモンストレーション用の装置を試作しました.
項 目 | 仕 様 | |
通信距離 | 2.0±0.5[mm](マイコン上面に無線プローブ基板を両面テープではる) | |
コイルの大きさ | 無線プローブ | 1.0[mm]角 |
マイコン | 0.6[mm]角 | |
通信速度 | 500kbps(標準値) |