磁界結合を利用した"ワイヤレスICE"を開発 ―― マイコンのデバッグ用I/O信号が不要になる

菅原俊彦,石黒仁揮

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2007年5月31日

 デモ・システムは,1台のパソコンと2台のオンチップ・デバッグ・エミュレータ(ルネサス テクノロジ製のE8)を用いました.一方のエミュレータからデータを送信し,他方のエミュレータで受信してパソコン画面に表示させます.

 データの送信では,磁界結合インターフェース用オンチップ・デバッグ・エミュレータからのデータを,無線プローブ経由でマイコンへ送信します.

 また受信では,有線インターフェース用オンチップ・デバッグ・エミュレータがマイコンからのデータを受信し,デバッガへ表示します.

● 通信はほぼ成功したが,データ化けも発生

 本システムのデモ用の画面イメージを図12に示します.デバッガのバッチ機能を使って,数秒ごとに256バイトの任意の同じデータ(00h,00h,12h,34h,55h,55h,AAh,AAh,FFh,FFh)を送信しました.受信側は受信データをそのまま表示しています.

 この画面イメージでは,55h(0x01010101)の送信データの一部が,5Fh(0x01011111)やD5h(0x11010101)などのように,ビットの立つ方向へ化けている様子が分かります(図12の丸で囲んだデータ).

zu12_01.gif
図12 ET2006で行ったデモの送受信の画面イメージ
デモ・システムの制御ソフトウェア画面のイメージ.左の枠が磁界結合無線によるマイコンへの送信データで,数秒ごとに任意のデータを発生させている.右の画面は,マイコンが受信したデータを内蔵RAMへ転送し,有線シリアルでデバッガへ送ってデータを表示させている.丸印の個所は,データ化け(デモンストレーションでは,ビットの立つ方向が多かった)を示す.

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