磁界結合を利用した"ワイヤレスICE"を開発 ―― マイコンのデバッグ用I/O信号が不要になる

菅原俊彦,石黒仁揮

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2007年5月31日

3.磁界結合を利用した無線通信の原理

 ここでは,磁界結合を用いた無線データ通信の原理,および無線デバッグ・システムの無線インターフェース部の物理層について説明します.

● 磁界を利用して二つのコイル間の通信を行う

 今回の磁界結合を利用した無線通信は,図6のように,二つのコイルを重ねたトランスのような構成で使用します.一方のコイルはシリコン(Si)チップ上に形成し,他方のコイルはフレキシブル基板上の配線層を用いて形成します.

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図6 磁界結合によるデータ伝送の原理
二つのコイルを用いた磁界結合を利用した近距離無線信号伝送のイメージを表す.二つのコイルによってトランス構造が構成される.1次側(送信側)に流したパルス状の電流信号に比例した磁界がコイル近傍に形成され,その磁界変動(時間微分)に比例した信号電圧が2次側(受信側)に発生する.従って,送信パルスの微分波形が受信信号として検出される.

 1次側(送信側)のコイルに電流を流すと,流した電流に比例した磁界がコイルの周りに発生します.さらに,この磁界の変化率(微分)に比例した電圧が2次側(受信側)コイルの両端に発生します.従って,送信側コイルに流した電流の変化率が大きいほど,大きな電圧が受信側コイルの両端に発生します.このように,送信側コイルに送信信号を印加し,受信側コイルに発生する信号を検出することで無線データ伝送を行えます.

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