磁界結合を利用した"ワイヤレスICE"を開発 ―― マイコンのデバッグ用I/O信号が不要になる

菅原俊彦,石黒仁揮

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2007年5月31日

 マイコン・コアからマイコンに搭載されたデータ送信機へ,送信データおよび送信タイミングを規定するクロック信号が送られてきます.クロックの立ち上がりエッジに同期して,データ送信機はチップ上の送信コイルに電流パルスを流します.このとき,送信データが'1'の場合は電流パルスの極性を正とし,'0'の場合は負とします.ここで送信側電流パルスの微分波形が,電圧信号として受信コイルの両端に発生します.

 この受信信号の電圧振幅は10mVに満たない微弱な信号であるため,データ復調器(比較器)で極性判定する前に増幅器で増幅します.後述する方法で,増幅した受信信号の極性を,無線伝送したクロック信号によりタイミングを合わせて判定します.同じように,無線プローブ側から組み込みシステムにもデータを伝送できます.

 次にデータの送受信タイミングを規定するクロックを,無線で伝送する方法を説明します(図11)

zu11_01.gif

図11 クロック・チャネル各部の信号波形
送信コイルにクロック波形と同じ波形の電流を流す.受信コイルでは,送信電流波形の微分,すなわち正負のパルスが繰り返して誘起される.元のクロック波形の再生にはヒステリシス付きの比較器を用いる.受信信号がいったん,比較器の正のしきい値を越えると,次に負のしきい値を下回るまで比較器出力は"H"状態が保持される.逆に負のしきい値をいったん下回ると,次に正のしきい値を超えるまで比較器出力は"L"状態に保持される.このようにして,ヒステリシス付き比較器を用いてクロック波形を自己再生する.

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