電子機器開発者のための半導体パッケージ熱設計入門 ――待ったなし!SOC & SIPの熱対策

中島宏文

tag: 組み込み

技術解説 2005年7月25日

1. 熱設計を取り巻く環境の変化

● 電子機器の性能や信頼性を左右する熱抵抗

 ではまず,半導体デバイスの熱抵抗が電子機器に与える影響について説明しておきましょう.

1) 保証温度以上では動作速度が遅くなる

 一般に,チップ温度が動作保証温度以上になると,その半導体デバイスの動作速度は遅くなってしまいます.例えば,200MHzで動くはずの部品が保証温度以上なら190MHzでしか動かないといった現象です.これを無理に200MHzで動作させると誤動作や過剰発熱が起き,最悪の場合,部品の破壊につながります.

2) 高温では寿命が短くなる

 高温で半導体デバイスを使用していると,長期的な影響としてデバイスの寿命が短くなることが知られています.この場合,目で見てわかるような兆候は現れません.熱対策を講じないまま放置し,電子機器が壊れて初めて気づくというケースがあります.このような事態を防ぐためには,電子機器の設計段階において半導体デバイスの消費電力や熱抵抗に配慮した放熱設計を行い,半導体メーカから提示されている動作保証温度を超えないようにする必要があります.

 なお,半導体デバイスにはディスクリート部品,パワー・デバイス,メモリLSI,論理LSIなどがあります.それぞれ特徴のあるパッケージを用いていますが,本稿ではとくに論理LSIに用いられる比較的多ピンのパッケージについて解説します.

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