プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(後編) ――ソフト開発環境とハード開発環境をシームレスにつなぐ
7)外部端子を割り当てる
CSLの入出力信号を,パッケージのどの外部ピンに割り当てるかを決める必要がある.メイン・ウィンドウのメニュー・バーの「Constraints」→「I/O Editor」を選択すると,外部端子を割り当てるためのダイアログ・ボックスが表示される(図11).左の枠に,CSLに出入りする外部信号のアイコンが並ぶので,これを割り当てたい端子の上にドラッグ・アンド・ドロップする.
〔図11〕外部端子への割り当て
CSLの入出力信号をどの外部端子に割り当てるかを選択する.左のウィンドウにCSLの外部信号が並ぶ.これらのアイコンを所望の端子にドラッグ・アンド・ドロップする.
8)Cコード/アセンブリ・コードを生成する
CSL内に生成されたレジスタ(CPUからのアクセスがあるレジスタ)をアドレスに割り付けた結果は,定義ファイルとして出力される(図12).このファイルはCコンパイラやアセンブラのヘッダ・ファイルとして利用できる.
6)のところでサイドバンド信号の割り当てについて説明したが,プログラマブル・ロジック内蔵SHマイコンは,内部信号をCSLに効率良く接続するため,内部信号選択用の専用レジスタを備えている.この設定は,LSIの初期化時にプログラムによって行われる.ただし,この設定用プログラムをユーザが作成する必要はない.FastChipが自動生成する.
また,プログラマブル・ロジック内蔵SHマイコンでは,一つの外部端子に複数の機能が割り当てられている.例えば一つの端子に,汎用ポート,タイマ端子,CSL入出力端子など,2~3種類以上の機能が割り当てられる.ここで,外部端子の機能を選択する作業もFastChipのGUIを使って行える.この端子機能の設定は,LSIの初期化時にピン・ファンクション・コントローラにある専用レジスタを使って行われるが,このとき必要となる設定ルーチン・プログラムをFastChipが生成する.
〔図12〕Cコード/アセンブリ・コードの生成
CSL内部にあるレジスタへのアドレス割り当てを記述した定義ファイルを生成する.また,外部端子の機能やサイドバンド信号の選択を行う設定ルーチン・プログラムを生成する.