プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(後編) ――ソフト開発環境とハード開発環境をシームレスにつなぐ
●初期化の手順は通常のマイコンと同じ
プログラマブル・ロジック内蔵マイコンを起動する方法は,基本的に通常の組み込みマイコンと同じである.CSLのコンフィグレーションも,単にビット・ストリーム・データを転送するだけですむ.以下に,初期化の手順を示す.
- パワーONリセットを行う.
- CPUがリセット例外処理を行った後,初期化ルーチンに移行する.
- 初期化ルーチンにおいて,端子機能の設定,サイドバンド信号の選択設定,周辺モジュールの機能設定を実施する.
- あらかじめ,ROM上に配置しておいたCSLコンフィグレーション用のビット・ストリーム・データを,CPUの命令またはDMAコントローラによって,CSLのコンフィグレーション・メモリに転送する.なお,この転送ルーチンは,Cコンパイラのライブラリ関数として提供される予定である.
- CSLを制御するコントローラに対して,コンフィグレーションが終了したことを設定する.この操作によって初めて,サイドバンド信号がCSLにつながり,CSL外部信号の方向や出力レベルが設定される.この操作の前までは,CSLはチップの動作から完全に切り離されている.
- ユーザが設計した動作を開始する.