プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(後編) ――ソフト開発環境とハード開発環境をシームレスにつなぐ
Column3 ローエンドのプログラマブル・ロジック内蔵マイコン
プログラマブル・ロジック内蔵マイコンの世界では,各社とも32ビットのRISC CPUをコアにする例が多い.その一方で,8ビット・マイコンをコアにした製品も発売されている.例えばTriscend社のE5シリーズは,8ビットの8032Turboコアを内蔵している(図A,表A).この8051ベースのコアは,制御系のマイコンとして,特に欧米で人気が高い.
8ビット系や16ビット系のマイコンを用いるアプリケーションでも,ユーザの手元でコンフィグレーションできるプログラマブル・ロジック内蔵マイコンの要求はある.こうしたローエンドのプログラマブル・ロジック内蔵マイコンは,単価は安いが,出荷数が大きい.新規の市場として,有望だと思われる.
〔図A〕 E5シリーズのブロック図
Triscend社のE5シリーズは,8032 TurboコアとCSLマトリックスを内蔵している.8032Turboは8051相当の8ビット・マイコンである.最大動作周波数は40MHz.CSI-BUSを介して,CPUやDMAコントローラからCSLに1サイクルでアクセスできる.
〔表A〕E5シリーズの製品概要
型 名
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プロセッサ
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周辺機能
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TE502
|
8032Turbo(16ビット・カウンタ×3,USART,ウォッチドッグ・タイマ,割り込みコントローラ) | 高速内部バス,メモリ・インターフェース・ユニット,DMAコントローラ×2チャネル,パワー管理,パワーONリセット回路,ハードウェア・ブレーク・ポインタ,JTAGポート |
TE505
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TE512
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TE520
|
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TE532
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型 名
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RAMの容量
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CSLセル数
|
CSIアドレス・
セレクタ数 |
PIO端子数
(最大) |
TE502
|
8K×8ビット
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256
|
16
|
92
|
TE505
|
16K×8ビット
|
512
|
32
|
124
|
TE512
|
16K×8ビット
|
1,152
|
72
|
188
|
TE520
|
40K×8ビット
|
2,048
|
128
|
252
|
TE532
|
64K×8ビット
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3,200
|
200
|
316
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注:計画中や開発中の品種を含む.PIO端子数は,パッケージや初期モードによって変わる.