プログラマブル・ロジックを集積したSHマイコンのすべて(後編) ――ソフト開発環境とハード開発環境をシームレスにつなぐ
●マイコン周辺回路のIPモジュールを用意
FastChipには,あらかじめ,以下のようなIPモジュールが用意されている.
- 通信回路――UART(universal asynchronous receiver transceiver),ボーレート・ジェネレータ,HDLC(high level data link control),メール・ボックスなど
- タイマ――8ビットPWM(pulse width modulation)など
- メモリ――ROM,シングルポートRAM,デュアルポートRAM,FIFO(first-in first-out)メモリなど
- 演算回路――加算器,減算器,アキュムレータ,乗算器,除算器,4入力LUT(look-up table)など
- カウンタ――バイナリ・カウンタなど
- レジスタ――データ・レジスタ,コマンド・レジスタ,ステータス・レジスタ,シフト・レジスタなど
- そのほかの回路――CSL-BUSコントローラ,7セグメントLEDデコーダ,暗号回路,外部信号端子など
これらのIPモジュールは,画面上でのドラッグ・アンド・ドロップの操作で,CSLに組み込まれる.CPUがこれらのIPモジュールにアクセスするためのアドレスは,自動的に割り付けられる.
マイクロコントローラに必要となるひととおりの周辺機能がそろっているので,これらを組み合わせるだけでも簡単にカスタムのマイクロコントローラを構築することができる.
IPモジュールがCSL内のセルをどの程度消費するのかを表1に示す.なお,SH7651が内蔵するCSL(バンク・サイズ2×2)のセル数は512,SH7655のCSL(バンク・サイズ5×5)のセル数は3200である.
〔表1〕IPモジュール別のCSLセル消費量
IPモジュール
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消費するCSLセル
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UART受信 |
37セル
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UART送信 |
25セル
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ボーレート・ジェネレータ |
25セル
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8ビットPWMタイマ |
17セル
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HDLC受信 |
171セル
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HDLC送信 |
163セル
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