FPGA活用回路&サンプル記述集(3) ―― ビデオ信号処理回路
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技術解説 2009年3月25日
● 3×3フィルタに対応する4ライン構成のライン・バッファ
ライン・バッファは,目的に応じてさまざまなタイプがあります.本稿で紹介するライン・バッファは,いわゆる3×3フィルタ(図2-2)に対し,9ピクセル分のデータを一括して供給するための前ライン保存バッファです.
図2-2 3×3フィルタ(輪郭強調フィルタ)の係数例
実現するためにはライン・バッファがあるとよい.
このライン・バッファをシンプルに構成しようとすると,4ライン構成となります.つまり,あるライン・メモリに書き込みを行っている間に,過去3ラインのデータを,それが蓄積されている3ブロックのライン・メモリから読み出すのです(図2-3).
図2-3 4ライン構成のライン・バッファの概要
今回の構成の場合,実際にはシンプルな1ポート・メモリが使えます.リード側とライト側がタイミング的に同期しているので,双方同じアドレス進行となります.しかも,リード側とライト側は常に異なるメモリ・ブロックをアクセスすることとなり,調停が不要です.
今回はせっかく「仲の悪い二人」の話をしました.そういう場合でも調停力のある2ポート・メモリをあえて使ってみました.
● ライン・バッファの構成要素を整理する
4ライン構成のライン・バッファのVerilog HDL記述をリスト2-1に示します.