FPGA活用回路&サンプル記述集(3) ―― ビデオ信号処理回路
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技術解説 2009年3月25日
事例4.液晶ディスプレイ・モジュールの制御回路
森田 一
外部回路
- 回路図:図4-2
- 主要部品:液晶ディスプレイ・モジュール
- Verilog HDL:リスト4-1
- 外部入力:なし
- 外部出力:a0,cs,e,rw(LCD制御線),d0~d7(LCDデータ)
- 内部入力:clk,nreset,di0~di7(LCDデータ),cd(コマンド・データ切り替え),wr(書き込み信号)
- 内部出力:rdy(書き込み許可)
- パラメータ:T1,T2,T3,T4(タイマ)
- Altera社,Qualtus II
最近,122ピクセル×32ピクセルと小型の液晶ディスプレイ(LCD)モジュールが市場に出回っています.このLCD モジュールにFPGAでアクセスする場合のインターフェース回路を作成しました.今回は書き込みのみ実装しました.
ここでは英国Intelligent Display Solutions社のLCDモジュール「AG-12232A」を対象としていますが,ほかのLCDモジュールでも小さい変更で対応できると思います.
● LCDの信号とタイミング
AG-12232Aは図4-1のように,表示位置などを設定するコマンドと表示データは,同じD0~D7を使用してLCDモジュールに書き込みます.コマンドとデータはA0により区別され,A0が'1'ならばコマンド,'0'ならばデータとなります.
図4-1 液晶ディスプレイ・モジュール「AG-12232A」へのアクセス・タイミング
図4-1が書き込みだけのタイム・チャートです.本チャートから,表4-1のように状態が遷移すればよいことが分かります.また,LCDモジュールとの接続は図4-2のようになります.
状態番号 | 遷移要因 | 遷移先 | 動 作 |
0 | wrがアサートされる | 1 | Eを'0'にするrdyを'1'にする |
1 | 最小20ns待つ | 2 | R/W,CSをアサートするA0を出力する rdyを'0'にする |
2 | 最小100ns待つ | 3 | Eを'1'にするD0~D7を出力する |
3 | 最小10ns待つ | 4 | Eを'0'にする |
4 | 最小900ns待つ | 0 | R/W,CSをネゲートする |
5 | 0 | ||
6 | 0 | ||
7 | 0 |
表4-1 FPGAから液晶ディスプレイ・モジュールへのアクセス方法
図4-2 液晶ディスプレイ・モジュールとFPGAの接続
● FPGAへの実装
リスト4-1が今回のHDL記述です.極めて単純に,FPGA内部のデータ書き込みパルスが来ると,アクセス時間を満足するように,タイマにウェイト時間を設定しながら,ステート・マシンを1周するだけのものです.唯一リセット直後にすぐにアクセスしないようにステート・マシンをサイクル時間の確保状態からスタートさせています.