FPGA活用回路&サンプル記述集(3) ―― ビデオ信号処理回路
tag: 半導体 電子回路 ディジタル・デザイン
技術解説 2009年3月25日
4 モニタへの同期タイミング出力部
外部回路
- 回路図:図6-2
- 主要部品:なし
- VHDL記述:本誌Webページからダウンロード
- 外部入力:SIG_MONI_CLK
- 外部出力:IO_MONI_SYNC,IO_MONI_BLANK,IO_MONI_DATA
- 内部入力:図6-12
- 内部出力:図6-12
- パラメータ:なし
- Altera社,Quartus II 7.2,Cyclone II
図6-11はテレビ・モニタにモノクロ映像を出力させるためのNTSC(National Television Standards Committee)信号のタイミング図です.このタイミングに合わせてカメラからデータを入力することで,正しくモニタに描画されます.NTSCの詳細についてはここでは割愛します.
図6-11 テレビ・モニタにモノクロ映像を出力させるためのNTSC信号のタイミング図
● FPGAからD-Aコンバータへの接続はシンプル
映像信号はアナログ信号です.FPGAの出力だけでは表示させられません.ディジタル信号をアナログ信号に変換する必要があります.D-Aコンバータ「ADV7120」(米国Analog Devices社)を使用します.本ICは2本の制御信号(SYNC,BLANK)とデータ(8ビット)だけで動作します.
● ステート・マシンの設計
出力部はステート・マシン・カウンタおよび論理回路で構成されています(図6-12).映像信号の基本は1ライン(15.75kHz:63.55μs)です.これを使用するクロック(12.273MHz:81.48ns)でカウントすると約780カウントになります.
図6-12 出力部のブロック図
タイミングを生成する場合に1/2Hのタイミング信号があると都合がよいことから,HD_CNTを390カウントで折り返し,HD_CNTが390カウントごとにVD_CNTをカウント・アップさせます.VD_CNTは走査線総数:525本の2倍の1050カウントで折り返します.
出力部のステート・マシン(図6-13)は垂直同期タイミングを生成しています.このステート・マシンはHD CNTが390カウントのときにしか動作しません.
図6-13 出力部のステート・マシン