FPGA活用回路＆サンプル記述集(3) ―― ビデオ信号処理回路

● タイミング・チャートで動作を確認する

　図1-2に水平帰線消去期間信号（HBlank），水平同期信号（HSync）が作られる様子を示したタイミング・チャートを示します．まず，水平有効表示期間カウンタ（HOLValidCounter）がHOLValid値－1に達すると，水平有効表示期間が終了し水平帰線消去期間信号（HBlank）がセットされます．同時に水平フロント・ポーチ・カウンタ（HOLFrontCounter）がカウントを開始し，HOLFront値に達すると水平同期信号（HSync）がセットされます．図では，HOLFront値は1なので，1ピクセル期間の水平フロント・ポーチ期間が形成されています．

図1-2　水平タイミングのシミュレーション結果

　その後，HOLSync値で設定された水平同期期間の間，HSync信号がアクティブとなります．図ではHOLSync値は2なので，2ピクセル期間のHSync信号が出力されています．その後，水平カウンタ（HOLTotalCounter）がHOLTotal値－1に達するまでHBlank期間が続きます．これが水平バック・ポーチ期間です．HBlank期間の終了後，すべての水平系のカウンタは0クリアされ，この水平タイミング・シーケンスを繰り返します．

　図1-3に垂直帰線消去期間信号（VBlank），垂直同期信号（VSync）が作られる様子を示したタイミング・チャートを示します．まず，垂直有効表示期間カウンタ（VARValidCounter）がVARValid値－1に達すると，垂直有効表示期間が終了し垂直帰線消去期間信号（VBlank）がセットされます．同時に垂直フロント・ポーチ・カウンタ（VARFrontCounter）がカウントを開始し，VARFront値に達すると，内部で垂直同期信号スタート・フラグが立ち，水平カウンタがVARSyncStart値に達するのを待ちます．図では，VARSyncStart値が40hなので，水平全周期（100h）に対して約1/4期間後に垂直同期信号（VSync）がセットされています．

図1-3　垂直タイミングのシミュレーション結果

　図ではVARFront値は1ですが，VARSyncStart値によっては，実質それに＋1された期間の垂直フロント・ポーチ期間が形成される場合があります．その後，VARSync値で設定された垂直同期期間を経て，内部で垂直同期信号エンド・フラグが立ち，水平カウンタがVARSyncEnd値に達するのを待ちます．図ではVARSyncEnd値が80hなので，水平全周期（100h）に対して約1/2期間後に垂直同期信号（VSync）がクリアされています．その後，垂直カウンタ（VARTotalCounter）がVARTotal値－1に達するまでVBlank期間が続きます．これが垂直バック・ポーチ期間です．VBlank期間の終了後，すべての垂直系のカウンタは0クリアされ，この垂直タイミング・シーケンスを繰り返します．