FPGA活用回路&サンプル記述集(3) ―― ビデオ信号処理回路
tag: 半導体 電子回路 ディジタル・デザイン
技術解説 2009年3月25日
● 垂直有効表示期間カウンタ部(VARVaridCounter)
垂直有効表示期間の間だけカウント・アップし,そのタイミングを知らせるためのカウンタです.このカウンタの値はラインの表示される垂直方向の位置を示すアドレスとして使えます.
また,このカウンタによって垂直有効表示期間の満了が検知されると,VBlank信号が"H"にセットされるようになっています.VBlank信号の"L"期間をもって有効ラインが出力される期間とします.
● 水平フロント・ポーチ・カウンタ部 (HOLFrontCounter)
水平同期信号を生成するためのタイミング・カウンタの一つです.水平同期信号は水平帰線消去期間の中に存在するので,水平帰線消去期間が始まってから水平同期信号が開始されるまでの期間をカウントします.この期間は「水平フロント・ポーチ」と呼ばれます.
このカウンタによって水平フロント・ポーチ期間の満了が検知されると,水平同期信号(HSync)がアクティブとなります.
● 水平同期信号長カウンタ部(HOLSyncCounter)
水平同期信号を生成するためのタイミング・カウンタの一つです.水平同期信号そのものの長さをカウントします.このカウンタによって水平同期信号期間の満了が検知されると,水平同期信号(HSync)はインアクティブとなります.その後,水平帰線消去期間の終わるまでの間が「水平バック・ポーチ」と呼ばれる期間となります.
仮に水平フロント・ポーチと水平同期信号の合計期間が水平帰線消去期間よりも長く設定されていた場合は,水平帰線消去期間の終わりで水平同期信号も強制終了させるように作ってあります.しかしこの場合は,水平バック・ポーチ期間のないビデオ信号となります.通常は,水平バック・ポーチを規格に応じて確保してください.
● 垂直フロント・ポーチ・カウンタ部 (VARFrontCounter)
垂直同期信号を生成するためのタイミング・カウンタの一つです.垂直同期信号は垂直帰線消去期間の中に存在するので,垂直帰線消去期間が始まってから垂直同期信号が開始されるラインまでの期間をカウントします.この期間は「垂直フロント・ポーチ」と呼ばれます.
このカウンタによって垂直フロント・ポーチ期間の満了が検知されると,まず,垂直同期信号スタート・フラグ(VsStart)がアクティブとなります.その後,「VARSyncStart」で定義される水平期間経過後に垂直同期信号(VSync)がアクティブとなります.このため,「VARSyncStart」の設定値によっては,実質,垂直フロント・ポーチ期間は「設定値+1」となる場合があります.
● 垂直同期信号長カウンタ部(VARSyncCounter)
垂直同期信号を生成するためのタイミング・カウンタの一つです.垂直同期信号そのものの長さをカウントします.このカウンタによって垂直同期信号期間の満了が検知されると,まず,垂直同期信号エンド・フラグ(VsEnd)がアクティブになります.その後,水平同期信号(HSync)はインアクティブとなります.その後,「VARSyncEnd」で定義される垂直期間経過後に垂直同期信号(VSync)がインアクティブとなります.
● 垂直同期信号位置調整部
垂直同期信号については,1ラインの中のどこでアクティブとなり,どこでインアクティブとなるかを設定できるようにしてあります.これによって,よりきめ細かいタイミングを設定し,垂直期間ごとにこの設定を切り替えてインターレースのフィールドを識別できるようになっています.