自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす
セーフティ機能を実現するためには,自動車の衝突や横転,乗員の有無などのデータが必要となるが,これらはセンサによって検出されている.乗員の安全性を向上させるため,最近では自動車のセーフティ機能が強化されている.こうした中,自動車1台に搭載されるセンサの数も増加してきており,ワイヤ・ハーネスの重量などの課題が表面化してきた.ここでは,エア・バッグ・システムを例にとり,車載センサのネットワーク化について解説する. (編集部)
自動車の電子制御化は年々進歩しています.現在,自動車に搭載されるECU(electronic control unit)の数は,多いもので1台につき70個以上と言われています. 車載LAN(local area network)技術は,電子制御化の流れの中,急激に増加するワイヤ・ハーネスの削減を目的として導入されてきました.現在では,CAN(controller area network)がデファクト・スタンダードとなっていますが,それまでは各自動車メーカ独自のプロトコルが採用されていました(1).