自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす

古谷壽章

tag: 組み込み

技術解説 2005年12月28日

● バッグそのものよりも増加傾向が激しいスクイブ

 インフレータは,エア・バッグを膨らませるガスを発生させるための装置です.インフレータはスクイブと呼ばれる点火具,火薬,ガス発生剤などから構成されます.MGGは衝突時のシートベルトのゆるみを取り除くシートベルト・プリテンショナに用いられるガス発生装置です.MGGもインフレータと同じように,スクイブ,火薬,ガス発生剤などで構成されます(3).インフレータはECUからの制御信号を受けると,スクイブで火薬に着火し,ガス発生剤が燃焼することによってガスを発生させてバッグを膨らませます.MGGは,インフレータと同じく,発生したガスの圧力をシートベルトの巻き取りの動力として利用します.

 スクイブの点火制御では,高電圧の電流でスクイブ内のニクロム線を発熱させることによって火薬に着火します.最近では,ニクロム線の発熱ではなく,電流を流すことによって火花を発生させ,その火花で火薬に着火する方法も出てきています.この方法では,ニクロム線の代わりに薄膜ブリッジと呼ばれる素子が利用されます.薄膜ブリッジを用いることにより,火薬に着火させるためのエネルギー量がニクロム線方式と比べて少なくて済み,着火速度も速くなります(4)

 近年のエア・バッグは運転席,助手席のエア・バッグだけでなく,カーテン・エア・バッグやサイド・エア・バッグ,下肢部を保護するニー・エア・バッグなど,搭載数が増加しています.また,乗員の体格や衝突度合いに応じて多段式に展開するエア・バッグも出てきており,点火装置であるスクイブの数はエア・バッグの数よりも多くなる傾向にあります.

 さらに,歩行者を保護するためにボンネット・フードを持ち上げたり,ボンネット部にエア・バッグを装着したりすることによって歩行者の被害を軽減する歩行者保護装置にもスクイブが用いられています.

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