自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす
● センサ系だけでなくスクイブ系もLAN通信で
現在利用されている代表的なエア・バッグ・システムのセンサ向けLANプロトコルとしてDSIがあります.ASRB2.0もDSIもマスタ・スレーブ型で,電源重畳型の通信です.エア・バッグECUがマスタとなり,センサなどのスレーブに対して電源を供給しながらデータ通信を行います(表2).
DSIとASRB2.0の大きな違いは,DSIがセンサ系のみをサポートしているのに対して,ASRB2.0はスクイブ系も通信の対象としているところです(図6).また,ASRB2.0は近年のシステムに要求されるシートベルトのバックル・スイッチや乗員検知センサなどが接続されることを想定したプロトコルとなっています.