自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす
● 将来はセンサ系とスクイブ系の二つのバスを用いる
最後に,ASRB2.0を用いた将来のエア・バッグ・システムについて述べておきます.
将来のエア・バッグ・システムでは,メインECUから延びる複数のASRBバスが必要になると考えられています(図10).搭載されるセンサやエア・バッグの数,自動車メーカの考えかたにもよりますが,バスは大きくセンサ系とスクイブ系に分けられ,センサ系で2チャネル,スクイブ系で1チャネルの計3チャネル程度になると考えられます.
センサ系は,前述のように衝突検出センサのデータを一定周期で取得しなければならないため,センサの接続数は通信速度に依存することになります.ASRB2.0は,一つのバス当たり最大6個の衝突検出センサを接続できる仕様となっています.また,センサは自動車全体を取り囲むように取り付けられるため,1本のバスで接続するよりも複数のバスで接続したほうが,ワイヤ・ハーネスの量が少なくなると考えられます.センサ系バスには,乗員検知センサやバックル・スイッチのセンサも接続されます.