自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす
当初,エア・バッグ・システムはECUのほか,車両前方に取り付けられたセンサと運転席および助手席のエア・バッグだけでした.そのため,前方からの衝突にしか対応できませんでした.近年では,側面からの衝突や横転などにも対応するため,センサやエア・バッグの搭載数は増える傾向にあります(図3).近い将来の高級車では,1台当たり衝突検出センサが6~8個,インフレータやMGGが16個以上搭載されるとも言われています.
図3 エア・バッグ・システム・ユニット数の推移
1996年ごろ,エア・バッグ・システムが普通乗用車に標準装備されるようになって以降,衝突検出性能や乗員拘束性能の向上を目的として,エア・バッグやセンサの搭載数は増加の一途をたどっている.前方からだけでなく側方からの衝突も検出するようになったため,センサの搭載数が増加している.それに伴って,エア・バッグの数も増えている.また,乗員の状態を検知するセンサなども装備されるようになってきた.