自動車のセーフティ機能の多様化に対応するセンサ・ネットワーク ――エア・バッグ・システムのワイヤ・ハーネスの低減と信頼性の向上を目ざす

古谷壽章

tag: 組み込み

技術解説 2005年12月28日

 エア・バッグなどの誤作動を防止するため,点火コマンドなど,点火スイッチの制御を要求する通信フレームは,通常利用しない特別な電圧レベルを用いなければならないことになっています(図8).また,この特別な電圧レベルは,センサがマスタに対して通信データに異常があったことを伝えたり,センサ単独で衝突を検出できるセンサからマスタであるエア・バッグECUに衝突があったことを通知する信号として利用することもできます.これによって,マスタ・スレーブ型の通信では,マスタが要求したとき以外にスレーブは通信できないという弱点を補うことができます.

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図8  ASRB2.0点火コマンド通信
エア・バッグの展開などを実行するための点火コマンドには,特別な電圧レベルを用いた通信が必要となる.この特別な電圧レベルは通常,論理レベル'0'を表す.電圧レベルの代わりに用いられ,通常のコマンドとは区別される.スレーブは,点火コマンドがこの特別な電圧レベルで'0'を示す通信フレームを受信することによって,エア・バッグの展開制御を行う.この電圧のほか,データのエラー検出のためのCRCや,マスタからの実行許可信号が通信フレームの一部として送信され,これらがすべて正常でないとエア・バッグの展開制御は行われない.このようにして,高い信頼性を得ている.

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